オープン後9ヶ月で10億円の投資を集めた融資型クラウドファンディング「クラウドバンク」のビジネスを丸裸にするインタビューしてきました。

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海外の購入型でないクラウドファンディングについては以前記事にしましたが、今回は日本の融資型クラウドファンディングサイト「クラウドバンク」、グリーンシートを活用した投資型クラウドファンディングサイト「クラウドエクイティ」を運営する日本クラウド証券株式会社代表取締役社長大前和徳氏にインタビューしてきました。ビジネスモデルなどについて聞いてきましたので、スタートアップで金融系、クラウドファンディング系の検討をしている方は是非参考にしてください!
 
※この記事は、融資型クラウドファンディングサイト「クラウドバンク」、およびグリーンシートを活用した投資型クラウドファンディングサイト「クラウドエクイティ」の利用を勧誘するものではありません。投資に関する決定は、ご自分の判断において行なわれるようお願いいたします。
 

=====以下、インタビュー=====

―さっそくですが、クラウドバンクを始められるまでの変遷を教えて頂けますでしょうか?会社概要を見ると1997年から会社をスタートされているようなのですが

DSC_1221大前氏

会社概要だけ見ると1997年から営業を開始したように見えますが、実際は事業立ち上げにあたって、2013年1月に現経営陣で証券会社を買収して事業を開始しています。

弊社は証券会社でありながら、上場株式の取扱いはありません。投資型クラウドファンディングに特化した世界でも例のないユニークな証券会社です。主力事業であるクラウドバンクのOPENが2013年の12月ですから、事業を本格的に開始してからまだ1年程度ということになります。今いるメンバーもほぼ社歴1年未満です。実は証券会社という箱を使ったスタートアップなのです。

―証券会社を買収してスタートされたということでしたが、これはチームとしてはどういったメンバーで運営されているんでしょうか?

経営陣には、各分野で実績経験豊富なメンバーを集めました。私(大前氏)は元北海道拓殖銀行出身で、2社目のSBIではネット銀行の立ち上げに携わりました。その後、金融ベンチャーのCFOや副社長を経験しています。取締役の金田は外資系コンサルティングファームの出身でコーポレートファイナンスの経験が豊富です。三浦は一度、起業した会社をエグジットした経験があり、長年エンジェル投資家として様々なベンチャー企業の支援をしていました。川戸は金融系に強い弁護士です。その他、アクセンチュア出身でシステム開発を得意とする青木と、CA出身でWEBマーケティング会社の経営をしていた藤田が執行役員として脇を固めています。

―なんだかオールスターチームみたいな感じですね。融資型クラウドファンディングの市場でどういったポジションをとりにいかれようとされてるんでしょうか?

投資型クラウドファンディング(融資・株式)は海外へ行くとかなり盛り上がっています。日本でクラウドファンディングというと、CAMPFIREやREADYFOR?のイメージが強いと思いますが、世界全体で見ますと2013年クラウドファンディング市場約5000億円の50%以上が投資型、特に融資型です。ただ国内で見たときに融資型のクラウドファンディング事業を運営しているところは弊社を含めて4社しかありません。
2013年、アメリカやイギリスの市場規模を見ますと約2000億円くらい、イギリスでも約1700億円ほどあります。

それに対して、日本は約80億円程度の市場規模しかありません。イギリスよりも日本のほうが経済規模は大きいのですから、現時点でもイギリスと同程度の市場規模があってもおかしくないわけです。そう考えると、既存プレーヤーがまだ十分にユーザーを取り込めていない可能性が高い。

特にマーケティングに力をいれている企業は現時点でありませんので、後発ではありますが、我々がしっかりコストをかけて戦略的にマーケティング活動をおこなうことで、より市場を拡大できると考えています。直近の目標としては、この融資型クラウドファンディング市場で国内No.1のプレイヤーになることを目指しています。

―融資型はけっこう規模が大きいのですね、各国。

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(図表 by 日本クラウド証券株式会社)

圧倒的に大きいです。しかもこのデータは昨年、2013年のものですので、2014年はもっと大きくなっています。自社で調査したところ、おそらく世界全体1兆円くらいの市場規模はあると思います。特に、中国の融資型クラウドファンディングはすごく伸びています。立ち上げから2~3年で集めた総額が500億円超えている会社もあります。実は日本だとプレーヤーが少ないのであまり注目されていませんが、世界全体で見ますと圧倒的に融資型の市場が成長しています。

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(図表 by 日本クラウド証券株式会社)

おそらく今年注目されるのではないかなというのが、レンディング・クラブという会社、ご存知ですか? 2007年設立の会社ですが、現時点で日本円にして5000億円程の貸出総額がありまして、今年IPOすると言われています。2013年にGoogleも出資していまして、経営陣にはモルガンスタンレーの元会長や米国の元財務長官なども参画しています。アメリカの最注目スタートアップのひとつです。

イギリスにはZopaという会社があります。こちらは2005年に設立された企業ですが、今日本円にして860億円程集めています。
融資型はお金を投資する側のユーザー属性が、いわゆる購入型クラウドファンディング(モノやサービスでリターンするタイプ)と異なります。投資家層が多く、集まる額のスケールも違います。

世界的に拡大している魅力的な市場にも関わらず、日本国内のプレイヤーが少ない理由は参入ハードルの高さです。金融のライセンスをとるのがすごく難しい。融資型をやるためには、第二種金融商品取引業登録と貸金業登録が必要です。この2つを取得して、同時にレギュレーションを守りながら運営していくのはすごく大変でして。だから参入したくてもできないという事情があります。

弊社はさらにそれに加えて第一種金融商品取引業(証券会社)の免許も持っていますので、融資型のクラウドファンディングを主力事業としてやっていますけれども、来年の4月以降に解禁になる株式型のクラウドファンディングも参入を予定しています。

他の証券会社なども参入可能性はあると思いますが、通常の上場株の取扱いとは異なる部分が多く、さらに先行きや収益性も不確定な点が多いため、参入する企業はそこまで多くないと予想しています。

ただ、弊社のメイン事業はあくまでクラウドバンクです。サービスが始まってまだ9ヶ月くらいですが今累計投資額が10億円くらいまできました。

―スタートから9ヶ月で10億円ですか?!全然知らなかったです。。。

今はそこまで積極的にメディア露出をしていませんので。おそらく投資総額だけで言ったら、すでに購入型クラウドファンディングのトッププレイヤーの企業さんを超える規模になっています。

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―月次でこんなに伸びているの、すごいですね。二次曲線を描いている。

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まだまだ投資家の数も多くないですし。これから積極的にマーケティング活動をやっていく予定ですが、おそらく累計100億円くらいはすぐに到達してしまうのではないかなと思います、このペースでいきますと。

―そうですね。このグラフでいくといってしまいますよね。すごいですね。もう少し詳しくお伺いしてもよろしいでしょうか。基本的にファンド型になっていまして、利回りでいいますと今5.X%という案件が多いと思うのですが、そのパーセンテージになっているのは何か理由があるのですか?

商品によって利回りは違います。なぜ5%くらいに設定しているかといいますと、それが単純にうちのユーザーが求める期待利回りという理由です。

弊社は、まだまだ知名度の低い会社ですので、そこにお金を投資するというのはそれなりにリスクを感じると思います。僕らはクラウド“バンク”と言っているくらいですので、銀行に近い感覚で、安心してお金を預けられるような金融サービスになりたいと思っていまして、そのために色々と工夫を凝らして元本割れをしないように運営してます。

ただ、そういった点は、ユーザーからすると、なかなか見えづらい部分、理解しづらい部分ですので、そうするとやはりそれなりの利回りがないと弊社にお金を投資するモチベーションにならないわけです。色々とテストマーケティングをしまして、だいたい5%くらいの目標利回りに設定すると、ユーザーの皆さまに前向きに検討していたけることがわかりました。

今後もう少しクラウドバンクの知名度・信頼度が上がっていき、償還実績もついてくれば、もう少し目標利回りは下がっていくと思います。今は5%ですけれども、ゆくゆくは3%程度でもしっかりとお金が集まるという形になればいいなと思います。

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━クラウドバンクの仕組みを教えてください。

クラウドバンクは、皆さんから集めたお金を大口化して資金需要のある企業に対して、融資をおこなっています。大口化することによって、これまで個人での参加ハードルが高かった、例えば海外企業の債券であるとか、国内の不動産、再生可能エネルギーなどに、1万円から参加できるようになりました。

では、どれくらいの金利で融資をしているかというところなんですけれども、だいたい7%以上の利回りで貸出をしています。
投資家さんに5%で分配をして、手数料や為替の差損を抜いても、しっかりと収益が残るというモデルになっています。7%以上の融資となると、お金を借りる側の企業にとっては、銀行よりもかなり高い利率になると思います。なので、我々が融資する先は、いわゆる銀行が貸出しできないような企業が対象となります。

ただ、銀行が貸出しできない企業と言いましても、それは財務的にリスクが高いからという理由ではなく、銀行の審査基準に合致しないという理由で融資を受けられない企業を指します。例えば設立3年未満の会社というのは、どれだけキャッシュフローが回っていたとしても決算書が3期分ないので融資が受けられないということがけっこうあるのです。売上が急成長しているような企業でれば、普通の銀行よりも高い金利でお金を借りたとしても無理なく返せます。

あとは借入期間の短い会社というのもあります。例えば、古い不動産を買ってきて、リノベーションをして物件の価値を上げて売却する。それによって差益を儲けるような事業をやっている不動産会社があります。そのような会社の中には、不動産の購入資金を銀行から調達しようとしても、審査が通過しない企業が数多くあります。審査落ちの理由で特に多いのは、購入から売却までの期間を数か月から半年程度と短く設定している場合です。融資期間があまりに短いと、銀行側が審査などの手間をかけても儲けは少なくなってしまうため、お断りされてしまうのです。

その場合、自己資金で物件を購入するか、もしくはエクイティで調達するしかありません。しかし、エクイティは投資家から求められる利回りが高いので、あまり利益が残りません。そのような課題を抱えた不動産会社であれば、銀行よりも多少高い金利でも融資を受けるメリットがあるわけです。さらに融資を実行する際には、その不動産を担保に設定することができるため、資産の保全性を高めることも可能になります。

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(イメージ図:KORY)

銀行の守備範囲がかなり狭い範囲にあるとしたら、弊社はその周りの範囲に融資していることになります。とはいえ、この円の外側にある、財務的なリスクのある企業に貸出しはしません。元本保証ではないですけれども、極力元本を棄損させてないように細心の注意を払っています。少しでも貸倒れが発生してしまえば信頼がなくなってしまいますので。我々は返済確実性というところはかなりシビアに見てやっています。ただ銀行のような杓子定規的な審査規則があるわけではないので、その分銀行よりも柔軟な融資が可能になるというわけです。

日本の個人投資家さんはもちろん高い利回りで運用したい。年金問題もありますし、人口も減少している。先行きは不透明な中、すべての人が資産運用を真剣に考えなければいけないけれども、では選択肢に何があるかというと、株かFXか、もしくは定期預金か、国債かくらいしか身近にないわけです。

株とかFXというのは大きく跳ね上がる可能性もありますが、知識が必要であったり、少し面倒くさかったり、あとは何よりも元本を毀損する可能性があります。一方で定期預金や国債というのは、元本保全性は高いものの、全然お金が増えていかない。ちょうどこの中間がないわけです。ローリスクミドルリターンのような。

ですから僕らのクラウドバンクの商品は、ある程度元本の保全性も高く、かつリターンは5%程度という金融商品としてもかなり魅力的な設定にしています。さらにそこにストーリー性も加えています。東南アジアの貧困地域の人たちへの支援や、国内の成長性の高い中小企業への資金協力など。今まですっぽりと抜け落ちていた部分ですね。そこを一般の人たちに提供したいと考えています。

一方でお金を借りる側の事業者に関して言いますと、今まで銀行の審査規則に則っていないために、キャッシュフローは回っていてもお金が借りられなく、事業の促進というのが停滞していたような会社さんに対して、我々が柔軟に融資をします。お金の借り手側と貸す側というか運用する側をネットでマッチングしているというのが我々のビジネスの本質的な仕組みです。

―案件のタイプによって色々あると思いますが、不動産と中小企業はだいぶ違うと思いますが、そのリスクを実際にどうやって減らされているのですか?

案件によっても違いますが、基本的な融資審査は当然自社で行います。社内には、銀行の審査部出身のメンバーや公認会計士もいますので、プロの視点で財務諸表を細かくチェックします。特に重点的に見るのが返済確実性です。つまり融資した資金がしっかりと回収できるかどうかという点です。会社訪問、社長面談も行います。さらに代表者保証もつけられるかどうか。このあたりは銀行の融資審査とほぼ変わりません。
それをベースにさらにデフォルト率を低減する仕組みを取り入れています。

クラウドバンクの中には、“売掛債権確保型”という記載があるファンドがあります。これは読んで文字のごとく、融資先企業の売掛債権を担保に設定したファンドです。例えば、A社という企業に100万円を融資するとします。何も担保がない会社の場合、もし貸したお金が返ってこなければ完全に貸し倒れとなってしまい、投資をしていただいたユーザーさまにご迷惑をおかけしてしまいます。

それを防ぐために、万一貸し倒れや大幅な遅延が発生した際には、A社の取引先であるB社の売掛金100万円がクラウドバンクの管理する口座に入金されるような契約にします。この契約によって、万一の場合があっても、きちんと貸付金を回収できるようになります。不動産のような担保がない企業であっても融資が可能になる場合もあります。

―その場合は、この取引先自体もある意味デューデリジェンスをされるんでしょうか

そうですね。過去のトラックレコードを見ます。きちんと担保設定している取引先から入金があるかどうかとかですね。会社の銘柄も見ますよね。上場企業などのしっかりしている会社であれば、担保性が高いですとか。ここが心許ない場合、融資をお断りするケースもあります。あとはさっきお伝えした、不動産を担保にするパターンです。万一何かあったとしてもそれを市場で不動産を売却しますと。そのような様々な金融のテクニックを駆使して保全性を高める工夫をしています。

―担保をとっているということですね、きちんと。

取得していない案件ももちろんあります。その場合は、少し基本的な審査が厳しくなりますね。あとは、少し内容は違いますが、マイクロファイナンスファンドという、新興国の貧困地域に住む人々を支援する目的の商品もあります。マイクロファイナンスの案件といっても、クラウドバンクが現地の人たちに直接お金を融資しているわけではありません。間にマイクロファイナンス機関という金融機関があります。ここに対して融資をしているわけです。マイクロファイナンス機関の審査もかなり細かくおこなっています。

>>※カンボジアのマイクロファイナンスについては面白かったので別記事で公開します。

あと最近やりましたのがソーラーパネルに投資するファンドです。固定価格買取制度というものがありまして。再生可能エネルギーの普及を目的に、太陽光から発電した電力は固定価格で20年の間、電力会社が買い取ることを政府が義務づけています。この制度を活用することで、一旦ソーラーパネルを設置すれば、20年間の間、継続的に売電収入を得ることができます。

ただし、設置のための初期費用はそれなりの資金が必要になりますので、銀行融資と合わせて、不足分をクラウドファンディングで集めています。間接的にではありますが、1万円から太陽光発電事業に投資ができるとあって、1億2000万円の募集が、わずか4営業日で埋まりました。

このようにクラウドバンクはこれまで、一部のプロ投資家のような人たちだけが投資できていた、好条件で魅力的な金融商品を小口化して誰でも手軽に参加できるようにしました。知ってもらいさえすれば、興味をもっていただける確率は高いのかなと思っています。今は1万円から投資できますので、気軽に始めてくださるのですが、償還を待たずして皆さんどんどん追加投資をしてくださっています。だいたい今平均累計投資単価が70万円くらいまで上がってきました。

―運用の金額が特に大きくなってきますと、なかなかこれくらいの利率を出せる商品は少なかったりとかいうところもあると思うのですが。

逆に言うと額が大きくなってきますと、今、僕らが融資をできないような規模感の案件にも投資ができるようになります。例えば10億円の不動産の購入を検討しているような企業があっても、今のクラウドバンクでは累計応募額が10億円しかありませんのでまだ足りない。これが、もう少し金額が集まってきますと、そのような案件も融資対象になってきますので選択肢が広がります。まだまだ案件はたくさんありますね。

あとは海外を見ていけば、カンボジア以外にも成長している国というのはたくさんありますので、そのような国の企業も対象にしていきます。やはり海外、特に東南アジアはいいと思います。日本はお金が余っていて、一方で東南アジアの新興国はお金が足りていない。そこを繋げるのはとても合理的な話だと思います。おもしろいですよ。

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―案件にもいろいろなタイプがあって面白いですね。案件はどのように獲得されているのですか?

今は個人的なネットワークからの紹介が中心です。ただおかげ様で、色々なメディアにも露出させていただき始めているので、そういうのを見た方からご連絡いただけたり、既存の融資先からの紹介も増えてきています。いい循環でご紹介で獲得で来ているということですね。

そうですね。まだまだたくさんありますからね。日本国内で銀行からお金を借りられない会社は。その中でも特に優良な会社にどんどんお金を回していきたいなと。あと海外ですね。

―海外の案件も紹介とかでという感じなのですか?

マイクロファイナンスへの投資を専門に行う投資運用会社がありまして、そこのご紹介で今の融資先とのつながりを作りました。今は、自社のスタッフが直接モンゴルやカンボジアなどに行って現地調査を進めています。ちょうど来週も弊社のスタッフがカンボジアに行ってくるのですけれども、そこでもまた新しい融資候補先を見つけてくる予定です。

━いわゆる証券会社のwebと全然違いますよね、クラウドバンクは。すごくスタイリッシュで新しいので、どういう体制で作っているのかなと。クラウドバンクの開発は社内でされているのですか?

社内と外部を使い分けていますね。どちらかというとクラウドファンディングを意識した構成に今はしています。デザインは社内でやっています。ただ、まだデザインは初期のデザインから変えられていなくて。現状には満足していません。細部のデザインやUIは日々少しずつブラッシュアップを行っています。近日中に大きなデザイン変更も予定しています。

―MVP(Minimum Viable Product)で、ローンチにいかに早くできるかというところで作られたということですね。

リーンスタートアップ的にサービスを開始したので、システムも本当にまだまだ。かなりお恥ずかしい感じで、実際にマイページも不便な点が多いです。もちろんずっとそのままではなく、常時ブラッシュしていまして。これからどんどん改善して行きます。大規模なシステム投資も検討していまして、来年の春くらいには、機能性もかなり充実していると思います。それに向けて大きな資金調達も予定しています。

御社のビジネスモデルとしてはお金の貸し手と借り手の利回りの差額のようなところが粗利になるわけですよね。
そうですね。運用額の一部を営業者報酬としていただいています。利益率は決して高いわけではないですが、運用を続けていただいている限り、継続的に報酬が入ってくるモデルですので、損益分岐点を超えると経営は安定します。とにかくアセットをどれだけ積めるかというのがこの事業のポイントです。

―話が変わるのですが、クラウドバンクの案件の、具体的にどこに投資しているのかは今はファンドという形ですので見えないのですが、それは例えば不動産担保型ローンファンドなどの場合は1つの不動産会社に投資しているのですか?それとも複数?

それはいい質問ですね。クラウドバンクのファンドは融資先の企業を具体的に明示していません。それに対して、どこに融資しているかわからないので投資判断がしづらいという声をユーザーの方からいただくことがあります。では、なぜこういう形にしているのかといいますと、「貸金業」を管轄する行政からの要請によるものです。

融資先が特定できる状態で募集をしてしまうと、投資を行うユーザーがクラウドバンクを経由して、実質、貸金業をやっているのと同一であると見なされてしまうそうです。つまり、貸金業の免許を持っていないのに貸金業をやっているのと同じことになってしまう、と。
人によっては様々な捉え方があると思いますが、我々としては行政の指導に基づき、コンプライアンスの順守を最優先として、業務をおこなっていますので、現状のような見せ方になっています。

―基本的に投資家さんからしますとリスクを判断する基準が御社ブランドと、あとは担保がどうとられているのかくらいで判断していくしかないということですよね。どちらが投資家にとっていいかという話をしましたら、きちんと事前に投資先を開示したほうがいいと思うんですけど。。。

はい、私たちもユーザーの皆さまの気持ちを考えると仰る事は非常に良く分かるのですが、監督官庁の判断になりますので、我々だけの判断では難しいところです。あと、融資実行前には開示は出来ませんが、融資実行後は情報公開出来ますので、今後は融資完了後に、企業側の許可が出れば情報を公開していく可能性はあります。ただ継続的に融資を行う案件もありますので、そのあたりは慎重に判断していきたいと思っています。

―非常に勉強になりました、クラウドバンクって、スタートアップ企業なんですね。

はい!そういう見方でうちをとらえてくれるところがあまりなくて(苦笑)

―是非「スタートアップ企業」として記事にさせて頂きます。本日はありがとうございました!

=====以上、インタビュー=====

まとめ

いろいろとビジネスの核心に触れる部分まで突っ込んで質問させて頂いたのですが、全部丁寧にお答え頂き、ほとんど記事の変更なしで公開させて頂けました。各内容についても是非スタートアップの方に参考にして頂ければ幸いです。

※この記事は、融資型クラウドファンディングサイト「クラウドバンク」、およびグリーンシートを活用した投資型クラウドファンディングサイト「クラウドエクイティ」の利用を勧誘するものではありません。投資に関する決定は、ご自分の判断において行なわれるようお願いいたします。

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