あなたのビジネスで生まれた”副産物”を売れ!

今日は、ワークマネジメントツールBasecampの共同創業者であるJason Friedがブログで書いた「Sell Your By-products(副産物を売れ)」を超訳しておおくりします。(許可取得済みです)

※注:Basecampは前は37Signalsという会社名でしたが、会社名もBasecampになりました。

それではどうぞ。

======ここから翻訳======

副産物を売れ(By-products)

995-avatar.154 by Jason Fried

インストールソフトとウェブの業界は林業・石油業・穀物農家から多くのものを学ぶことができる。彼らは「無駄なゴミだったもの」から相当な利益を生み出している。例えば暖炉の薪や、コンクリートや、氷の増強剤、土壌保護カバー、ベニヤ、燃料、家畜とペットの餌、路面凍結防止材、除草剤などだ。

精製された石油はプラスチック、化粧品、食品、ゴム、化学繊維、殺虫剤、肥料、心臓弁、歯磨き、洗剤、ワックス…などなどを作ることができる。

コーンや大豆などの穀物を精製することにより最近は何でも作ることが出来る。あなたは気付かないだけで午前中の生活だけで数キロ分のコーン燃料で生産された電力を使用している。

食品の中にもブドウ糖液糖(HFCS), キサンタンガム, デキストリン, マルトデキストリン, グルタミン酸ナトリウムなどの食品添加物として入っており、そして燃料タンクに入っているエタノールとしても存在する。

副産物

上記でリストアップしたものはすべて”副産物”だ。木材はもともとは建築材として生産されていたし、石油はもともと燃料として採掘されていたし、コーンや大豆はもともと食品として生産されていた。

しかし今ではこれらの業界では余ったものや無駄になってしまったもの使って新しい製品を作る方法を発見したくさんのまったく別の製品を作り出している。押しつぶしたり、圧力をかける、精製する、加熱する、冷却する、加工するなどして余ったものをお金に変えているのだ。

僕たちは幸せでありかつ、そんなに幸せでもない

いくつかの点で、僕たちはソフトウェア業界にいてラッキーである。僕たちは考えて、コードを書いて、マウスを動かせば良い。オブジェクトをオーダー通りの場所に正しいピクセルでおけば良い。そう、僕たちがやることってそれだけなんだ。

でもシンプルであることが逆に、副産物を見つけることが大変になっている。
木材の会社が無駄を発見することは簡単だ。彼らは”おがくず”が出ていることを無視することは出来ない。でも僕たちはソフトウェアの”おがくず”を見つけることはできない。もしくは、僕たちはソフトウェアの副産物なんて存在しないんじゃないかとすら思ってしまう。が、それは近視眼的だ。

何かを自分が作れば、必ず何か別のものを生み出している。
ちょうど、誰かが「あなたはコミュニケーションができないなんてことはないよ!」と言うのと同じように、あなたが他のものを生み出せないなんてことは無いということだ。

すべてのものには副産物が存在する。目ざとく、そしてクリエイティブな起業家は自分のプロダクトの副産物を発見し、そこに新たなビジネスチャンスを見つけている。

副産物の例:書籍「Getting Real」

「Getting Real」は副産物だ。僕たちはこの本を副産物だと知らずに書き上げた。会社を作ってソフトウェアを作った経験が”おがくず”として発生していた。僕たちはまずそれをブログに投稿しておがくず掃除をし、そしてワークショップシリーズにし、PDFにし、紙の本にし、そしてオンラインフリーブックにした。この副産物は僕たちの会社37signalsに100万ドルを直接的に、そしてさらに間接的に100万ドルを与えてくれた。

副産物の例:Ruby on Rails

Ruby on Rails は僕たちにとってもう一つの副産物だ。これは僕たちがWEBサービスBasecampを作る過程で生まれた。僕たちはRailsを作ることが目的ではなかった。もっと言うと、僕たちはRailsを作っているとすら思っていなかった。でもDavidが仕事場の床に何かが置いてあるいると気づいたんだ。僕たちはそれを見て、持ち上げて、ごにょごにょした。その副産物は結果的にWEBの世界を変えてしまうことになった。

あなたの副産物は、なんだろうか?

あなたがやっていることについて、たくさん考えてみよう。あなたがやっているすべてのことを間近で凝視しよう。おそらくそこには副産物を見つけるチャンスが眠っている、どんな会社でも。そうなんだ、例えあなたのオフィスの空いてる場所だって立派な副産物になるんだ。仕事のためにオフィスを借りていると思うけど、時間外についてはどうだろうか?イベントのために貸すことが出来ないだろうか?カリフォルニアにあるMaryʼs Futonsっていう家具屋がやってるみたいに、もしかしたら会社で場所代をとってお笑いショーの舞台を開催することもできるかもしれない。Maryʼs Futonsによると、そのショーを見た人が時々Maryʼs Futonsに戻ってきて家具を買ってくれるらしい。それは場所代以上に美味しい話だよね。

もしくは、バンドのWilcoがやったような、アルバムを作ろうと奮闘する過程を映画にしてしまったようなことだ。彼らはもともとアルバムを作る必要があり、彼らはもともと彼らのレーベルと問題を解決する必要があり、彼らはもともと内部の問題をかけていた。これらの問題は彼らがアルバムを作ろうとして生まれ、彼らはカメラを回していなければその経験を忘れてしまうと思ってカメラを回したのだった。

実は今のような経済では副産物はとっても重要。

副産物を得ることは経済が(信用収縮するタイミングで)大変な時代にはとても有利になる。自分がすでに作ったものを元に新しい売上の流れを作ることはキャッシュフローを改善することとビジネスを回転させ続けることをを助けてくれる。

そして、僕たちの会社は起業家に対して「プロダクトを無料で提供せずに、ちゃんと有料で提供するべきだ」と言っているけれど、もしあなたがまだ無料で提供したい、と思っていたとして副産物の方でお金を生み出してメインのプロダクトの方は無料で提供し続ける、ということも可能だろう。

あなたが作ったものを使ったワークショップが副産物になるかもしれないし、カスタマーサポートで学んだことをレッスンにするのが副産物になるかもしれないし、あなたが作ったコードを転用すると別の利益を生む副産物になるかもしれない。

最後にもう一度思い出して欲しい。あなたが何かを生み出せば、他の何かも生み出している。それを探してパッケージにして売ろう。どんな会社でも生み出すことができるお金がそこにあるんだ。

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まとめ

どうだったでしょうか?今回の視点は特にマネタイズにフォーカスした施策になっています。彼が記事を書いたのは2009年でリーマンショック後で経済と投資が収縮したタイミングでした。現在は日本経済も好景気ですが経済にはサイクルがあり今後は中国のバブルが弾けるなどの影響で当時と同じ状況に向かっていく可能性は十分あります。

今のうちに、”副産物”をちゃんと発見して、売上を上げてみてはいかがでしょうか?

Thank you so much for arrowing me to do this translation, Jason.

Original post: Sell Your By-products by Jason Fried ©1999-2015 Basecamp.

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