Eventbrite1000億円越え記念!電子チケット市場における世界の多彩なプレイヤーを調べました。

(2014/8/7 チケットストリートがebayから資金調達したのでそちらについて追記しました。)
先日60億円を1000億円以上のバリュエーションで調達し、1000億円企業(ビリオンダラークラブ)の仲間入りを果たした、イベントチケットの販売プラットフォーム「Eventbrite」。
 
かなり勢力図が動いているようなのでEventbriteを含め、イベントチケット販売系サービスをいろいろ調べてみました。調べてみるといろいろ面白いイベントチケットサイトが世の中にはたっくさんありました!当然ですが各社、「差別化」を常に意識していますね!面白かったです!
 
相変わらず気になったものをバラバラとまとめますのでまとまりがないのはご了承のほどお願い致します。。ではどうぞ!
 
 

[アメリカ]Eventbrite

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今回のメインの話題、Eventbrite!テック系巨大なイベント、例えばテック系で最大級のイベントの「TechCrunch Disrupt」なんかもEventbriteを使ってますし、シンガポールのスタートアップ系イベントの「Echelon」なんかもEventbrite使ってます。海外、特にアメリカの人を呼び込むイベントには重宝しそうですね。
デザインもいろいろカスタマイズ出来て自分好みなイベント集客ページが作れます。
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2013年には総額1000億円分のチケットを販売し、今年または来年のIPOが確実視されており、2014年3月には1000億円以上のバリュエーションで60億円の資金調達を実施。現在までに合計で200億円以上を調達しています。
販売チケットあたりの販売フィーは2.5%+99セントの手数料がサービスフィーとして徴収され、クレジットカード決済の場合にはチケット料金の3%が別に徴収されるため、手数料の合計はチケット料金の約6~7%。この手数料は後述の既存電子イベントチケットサービス「TicketMaster」を比べ、圧倒的に低いサービスフィーとなっています。
 
 

[アメリカ]TicketMaster

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アメリカチケット市場の独占企業ということで言わずと知れたサイトですね。日本における「e+」とか「ぴあ」みたいな。ライブチケットもスポーツチケットも何でも買えます。しかしながら、ticketmasterの難点はその手数料にあります。Service Charge、そしてOrder Processing Feeとなっています。手数料はディールにより変動するようなのですが、10%〜場合により50%にものぼるService Charge(wikipediaを参照)は顧客の購入のネックになっているようです。
 
 

[アメリカ]Stubhub

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チケットの二次販売のプラットフォーム。手数料モデルは「両手のビジネス」、買い手からチケット販売額の10%を、売り手から15%の合計25%を徴収する。チケットの一次販売元と提携しており、「公式な」二次販売プラットフォームと言える。シーズンチケットによる空席を二次販売を通じて埋めること、そして二次販売を許可することでシーズンチケットが売れることが一次販売元にとってのメリットだったようです。2007年に300億円以上の金額でebayに買収されています。
 
 

[イギリス]Viagogo

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元Stubhubのメンバーが作ったサイト。ヨーロッパのサッカーチケットも強いようですがアメリカに進出を果たしておりNHLやNBAなどのチケットも扱っています。ビジネスモデルもStubhubと同じく買い手からチケット販売額の10%を、売り手から15%。
 
 

[カナダ]picatic

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イベント版のKickstarter。つまり、イベントの集客がうまくいかなければイベントをキャンセル出来るので、イベントを今迄よりも開催しやすい!というイベンターにとってとても使いやすいシステム。また、販売フィーは「Pay what you want(フィーは払いたいだけ払ってくれればいいよ!)」というなんともオリジナルな価格設定でやっている。(やっていけるのか。)現在はイギリスおよびヨーロッパに進出中。
 
 

[イギリス]YPlan

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「今夜の予定」に特化したチケット販売サービス。チケットの印刷せずアプリで入場も出来、印刷不要。アメリカにも進出している。めちゃくちゃオシャレなアプリ。iPhoneまたはAndroidのアプリとして提供しています。現在のところロンドン、ニューヨーク、そしてサンフランシスコが対応地域となっています。東京版は無いので、日本でやるならチャンスかも!
 
 

[台湾→北京]活動通(Accupass)

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台湾、中国で圧倒的シェアを誇るイベントチケットサービスらしい。Microsoft Venturesなどから出資を受けており、その過程で北京のアクセラレータに入所するということで台湾から北京に移動。既に数億円の出資を受けていましたが、2014年3月4日にDCM、Qualcomm Ventures、そしてSoftbank Asia Infrastructure Fundから合わせて100億円の出資を受けている模様。もしかしたらこの会社、ビリオンスタートアップクラブに既に入っている可能性もあるくらいの規模ですね。。。
 
 

[シンガポール]Sistic

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シンガポールでNo1のイベントチケットサイト。
 
 

[日本→NY]Peatix

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日本のスタートアップだったが本拠地をニューヨークに移したPeatix。シード資金は500 Startups、DG Incubation、 伊藤忠テクノロジー・ベンチャーズ、SurveyMonkeyのCEO、Dave Goldbergから1億円を調達し、2013年には500 Startups、伊藤忠テクノロジー、フィデリティ・ジャパンから3億円の資金調達を行ってます。Peatixはプロではなくインディーズのイベント、勉強会、パーティーを攻めることで既存の市場を独占しているプレイヤーと競合しないようにしているらしいです。
日本、アメリカ、そしてシンガポールに進出してアジアを攻めています。
手数料は販売額の 2.9% + 70円 (クレジットカードなどの手数料を含む)ということでクレジットカードの手数料を除くとこれだけでは全く利益が出ない(下手したら赤字?)ので、「事前払い出しサービス」というサービスを提供しており、事前払い出しサービスを利用した場合の手数料は販売額の6.0% + 70円 となり、3%程度の手数料が見込めるようです。(ただし、キャッシュフローは悪くなります。)
あとは、ColorSyncという色を使ったチケット認識サービスを作ったりと技術的にも面白いですよね。
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[日本]チケットストリート

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日本におけるStubhub!ヤフオクでなかなか落とせないチケットも、固定価格で購入が可能です。この手のサービスで不安な「売り手が悪意があったらどうしよう」という心配に対して「公演4日前までに届かなかった場合、また出品時との記載が異なるチケットが届いた場合は、振込手数料も含めて全額返金」などの補償を行っている。
手数料は出品者に対して出品金額の8%をチャージしています。また、買い手にはオプションで「安心プラスオプション」を提供していて、「①入金後、売り手→チケットストリート→買い手の順でチケットを転送するので、個人情報を明かさなくて良い」「②公演中止、延期の際も売り手に代わってチケットストリートがチケット代金を返金」「③万が一、偽造チケットと発覚した場合も、全額返金」という3つの安心を提供する事で10%の追加手数料を買い手からオプションで受け付けている。
2013年3月29日に三菱UFJキャピタル、みずほキャピタルを割当先とする、総額6000万円の第三者割当増資を実施
2012年5月22日にインキュベイトファンドを割当先とする1,500万円の第三者割当増資を実施
 
※個人的に、まさに今チケットストリートでチケットを購入しようとしていたりしております。
※昨日ここでチケットを見ていたのに入れるの忘れてました。。。@r1ccha さんご指摘ありがとうございました!
(2014/8/7追記)
グリーベンチャーズと米ebayから3億円資金調達を行ったそうなんですが、実はこのディールは資金調達よりも提携の方が重要で、ebayは同じくこの記事に記載しているStubhubを2007年に300億円以上の金額で買収してます。で、そのStubhubとチケットストリートとで案件を交換して連携するようですね。アメリカのチケットを日本で、日本のチケットをアメリカで。すごくシナジーのありまくりな資金調達&提携ですね。
 
 

[日本]Doorkeeper

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バンクーバー出身のポール・マクマホンさん(Tokyo Rubyist Meetupの主催)とドイツ出身のミヒャエル・ラインシュさん(Startup Weekend Japanの主催)が運営している日本のスタートアップということで、IT系のイベントが多いdoorkeeperさん。IT系の皆様にはおなじみなのではないでしょうか。手数料はPayPalの手数料 (3.6%+40円)以外は前払いの105円しかとらないという破格の手数料ですね。
 
 

[日本]Tixee

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日本のスタートアップ「Live Styles 株式会社」が運営するTixee。電子もぎりのシステムということで、電子チケットもそうですが会場毎に導入をしていく感じで攻めているようです。音楽ライブだけでなく森美術館、スポーツなどのチケットも取り扱いがあります。
2013年1月31日にKDDI ∞ Laboプログラム第3期参加チーム最優秀チームに。
2011年11月24日に株式会社ネットプライスドットコムを割当先とする、第三者割当増資を実施(金額不明)。
2012年2月28日に株式会社DGインキュベーションを引受先とした第三者割当増資を実施(金額不明)。
 
 

[日本]Everevo

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日本のスタートアップ「netsket」が運営するEverevo。Samurai Venture Summitが有名ですね。Samurai Venture Summitも来場者が1000名を越える規模らしいので、スゴいですね!販売チケットあたりの販売フィーはクレジットカード払い、会場払いの5%の費用。(無料イベントに関しては無料。)何故か他のイベントがまとまったポータルのようなページが無くイベント一覧は見えない仕様になっているので、サイトからの集客についてはあまり期待出来ないかもしれません。
2013年12月24日に登録イベント数が10000件を突破。
2012年7月31日に「インキュベイトファンド1号投資事業有限責任組合」を割当先とする、第三者割当増資を実施(金額不明)。
2011年10月14日に「Samurai Incubate Fund3号投資事業有限責任組合」を割当先とする、総額450万円の第三者割当増資を実施。
 
 

[日本]EventRegist

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スタートアップ系のイベントが多いEventRegistさん。手数料は8%。こちらもイベントがまとまったポータルのようなページが無くイベント一覧は見えない仕様になっているので、サイトからの集客についてはあまり期待出来ないかもしれません。
2013年6月12日に大和ハウス工業株式会社の100%子会社である株式会社伸和エージェンシー、East Ventures、Skyland Venturesを割当先とする第三者割当増資を実施
 
 

まとめ

世界で競合ひしめくイベントチケットマーケットは、陣取り合戦が加速しており、特にインディーズ(音楽、スポーツ、ビジネス)の電子チケットのマーケットが加熱している一方、既存の強力なプレイヤーを避けるYPlanのようなニッチなサービスもどんどん出て来ています。O2Oのマーケットなのでネットだけでなくリアルでの営業が勝敗を分けるところもあり、やりようはいくらでも残っているように見えます。
 
日本のチケットサービスもどこかがシェアをとるのか、どこの海外のチケットサービスが日本に進出してくるのか。今後が気になりますね!
 
(この記事を書くにあたってY.c. Panさんに御協力頂きました。ありがとうございました。)

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